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糖尿病教室

糖尿病と動脈硬化(前編)

1.はじめに
2. 糖尿病になると血液中のブドウ糖(血糖)が高くなります
3. 糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病があります
4. 糖尿病の診断には空腹時の血糖と食後の血糖の両方が大切
5. 糖尿病の患者さんは増えています
6. 糖尿病は動脈硬化を進めます
7. 糖尿病の血管合併症としての細小血管症と大血管障害
8. 動脈硬化は糖尿病が軽い段階から進んでいます
9. 食後高血糖が動脈硬化を進めます
10. 内臓脂肪肥満が動脈硬化を進めます
11. 問題はメタボリックシンドローム
12. メタボリックシンドロームを持っている人は糖尿病と心筋梗塞のリスクが高い


動脈硬化は糖尿病が軽い段階から進んでいます

糖尿病の血管合併症には、細小血管症と動脈硬化症(大血管障害)があると説明しましたが、糖尿病の程度と、これらの合併症が起こる率には関係があることがわかっています。

<図8>の横軸は「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」の値を示しています。ヘモグロビンA1cは約1か月間の血糖の平均値で、数値が大きいほど血糖のコントロールが不良であることを表しています。縦軸は腎症や網膜症である細小血管症と心筋梗塞の発症率を示しています。細小血管症はヘモグロビンA1cが8%を超えると、急に発症率が高くなっています。この事実は、他の多くの調査からも明らかにされています。

では、心筋梗塞の発生率とヘモグロビンA1cの関係はどうでしょうか。確かにヘモグロビンA1cの値が高いほど、発生率が高いのですが、目に付くのは、ヘモグロビンA1cが6.5%~7.0%という比較的低い値でも心筋梗塞の発生率が高いということです。ですから、動脈硬化は糖尿病が軽い段階でも進んでいることがわかります。また、この範囲のヘモグロビンA1cの値の患者さんは、空腹時血糖よりも食後の血糖が高いこともわかっています。
図8 糖尿病の進行と合併症の発生頻度
(BMJ 321(12Aug):407,2000より改変)

糖尿病の進行と合併症の発生頻度


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