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糖尿病教室
糖尿病と動脈硬化(前編)
1.はじめに
2. 糖尿病になると血液中のブドウ糖(血糖)が高くなります
3. 糖尿病は1型糖尿病と2型糖尿病があります
4. 糖尿病の診断には空腹時の血糖と食後の血糖の両方が大切
5. 糖尿病の患者さんは増えています
6. 糖尿病は動脈硬化を進めます
7. 糖尿病の血管合併症としての細小血管症と大血管障害
8. 動脈硬化は糖尿病が軽い段階から進んでいます
9. 食後高血糖が動脈硬化を進めます
10. 内臓脂肪肥満が動脈硬化を進めます
11. 問題はメタボリックシンドローム
12. メタボリックシンドロームを持っている人は糖尿病と心筋梗塞のリスクが高い
糖尿病になると血液中のブドウ糖(血糖)が高くなります
糖尿病でない方は、空腹の時も食事をした後も血糖はほぼ一定の値に保たれています。一定の値に保つのに大きな働きをしているのが「インスリン」(インシュリンともいいます)というホルモンで、膵臓のランゲルハンス島のβ(ベータ)細胞で作られています。
インスリンが「正常に働いているとき」と、「正常に働いていないとき」を比べたのが
<図1>です。正常に働いているときは、食事の後、血糖が高くなると、糖はインスリンの命令によって筋肉と脂肪に取り込まれます。もう一つの働きは、肝臓がつくり蓄えている糖を、必要なとき以外は放出されないよう抑える役目をしています。この二つの働きで、血糖はほぼ一定に保たれます。ですから、インスリンは糖のバランスと体のエネルギーのバランスにとって欠くことのできないホルモンです。
糖尿病になると、糖の取り込みや糖の放出のバランスが狂ってきます。理由は二つ。
一つは膵臓からのインスリンの分泌が減り、インスリンが不足するためです。
もう一つの理由は、インスリンの働きが鈍くなり、必要な時に筋肉や脂肪に糖が取り込まれなくなったり、不必要な時に肝臓から糖が放出されたりするためです。
つまり、糖尿病はインスリン分泌不足とインスリンの働きの低下が組み合わさって起こります。それには、遺伝的な体質と、過食、運動不足などの生活習慣も大きく影響しています。糖尿病は遺伝と環境の両方の要因が相合わさって起こると言われるゆえんです。