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糖尿病教室
糖尿病の食 "テーラーメード食事療法" のすすめ
1.はじめに
2. 炭水化物制限食との出合い
3. 栄養素の代謝を考える
4. インスリンの働きと炭水化物制限食の関係は
5. 理にかなっている炭水化物制限食
6. 炭水化物制限食の考えに落とし穴はないのか
7. 炭水化物制限食の要点‐糖の代謝から脂肪酸の代謝への変換
8. 糖尿病食としての地中海食
9. 糖尿病食としてのエビデンス
10. おわりに
はじめに
糖尿病と食について考えます。
糖尿病の患者さんにとって、どのような食事療法が血糖のコントロールをよくするとともに、その人の好みに合い、実行しやすく、長続きするのでしょうか。
まず、これまでの糖尿病の食事療法はどうなのかを説明します。
<表1>をご覧ください。
1日に摂取する総カロリー(主食や副食を含めた総量)を控える「カロリー制限食」であることが特徴です。しかも、半分強のカロリーを炭水化物(糖質)から取り、たんぱく質を控え、脂肪の量を減らす「脂肪制限食」(低脂肪食)であることも特徴です。
1日に摂取する総カロリーがどれだけになるかを知るには、それぞれの食品について、どのぐらいの量が何カロリーになるかを食品交換表と呼ばれる表に基づいて、いちいち計算しなければなりません。これは患者さんにとって、なかなか厄介なことですし、必ずしも患者さんの好みに合った食事内容になるとは言えません。
多くの方には、ご飯やめん類を中心とした主食の量が多く、副食に豊かさがありません。総カロリーの中に占める炭水化物(糖質)の量が多く、食後に血糖が高くなりやすいという気になる点もあります。
というのは、食後に血糖を上げるのは、炭水化物だけだからです。
ですから、従来の糖尿病の食事療法には限界があると言えます。
最近、このような反省に立って、新しい食事療法が提唱され、有効性が確かめられつつあります。「炭水化物(糖質)制限食」と、それを味付けする「地中海食」です。
<表2>(表中の低GI食はこちらで説明します)
以下で新しい食事療法を説明し、糖尿病の患者さん一人ひとりに合った“テーラーメード食事療法”を提唱します。