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糖尿病教室
『糖質制限食』 再考(補遺)
この文章は「糖尿病と食」と「糖質制限食 再考」の間に、自由に書いたものです。
不十分な箇所がありますが、上の二つの文章を補うものとして読んでいただければ幸いです。
1.はじめに
2.炭水化物(糖質)制限食の考えに出会う
3.栄養素の代謝を考える
4.インスリンの働きと炭水化物(糖質)制限食の関係について考える
5.糖質制限食とカロリー制限食 ― 大事な考えの相違
6.糖尿病の病態(糖尿病をきたす原因なり要因)を考えると、炭水化物(糖質)制限食は理にかなっています
7.炭水化物(糖質)制限食の考えに落とし穴はあるでしょうか
8.炭水化物(糖質)制限食の要点は糖の代謝から脂肪酸の代謝への変換です
9.糖質制限食と食の文明
10.糖質制限食のエビデンス
11.糖尿病食としての地中海食
12.ある糖尿病専門医の文章に出会う
13.オーダーメード糖尿病食
14,おわりに
糖質制限食のエビデンス
本当に、糖質(炭水化物)制限食は空腹時血糖やヘモグロビンA1cを改善したり、体重を減らしたり、脂質代謝に良い影響を与えるのでしょうか。そして、これらの臨床指標(サロゲートマーカー 代替指標)をよくすることで、心血管病や癌を予防し、生命予後をよくするのでしょうか。この疑問に答えるために、臨床研究や疫学(コホート)研究が行われます。臨床研究のデザインは、ある薬剤や治療法が有効であることを検証するために、原則として、その薬剤なり治療法を施す群と、そうでない群を無作為に(ランダムに)分け、代替指標の改善が、目標とする臨床指標(エンドポイント)をよくするか検討します。
エンドポイントは、糖尿病、高血圧や高コレステロール血症の臨床研究では、心血管病のイベントと総死亡が用いられます。
また、疫学(コホート)は一般住民やある特定の集団を対象にして、長期間、身体特徴、臨床特徴や生活習慣を追跡することで、それらと糖尿病や高血圧、癌や総死亡との関係を検討します。
その内容については、「糖質制限食の疫学」を参照ください。